【弁護士監修】取引基本契約書を完全攻略!印紙代4000円の回避術とは【ビジネス文書完全ガイド】

2022/12/13 2022/12/19

ビジネスシーンで取り交わされる契約書の1つである取引基本契約書。取引先から「作成したい」と提案された経験をお持ちの方は多いでしょう。取引基本契約書の作成時に記載すべき条項、取引基本契約書を交わす意味について詳しく解説します。

また取引契約書に必要な4,000円の印紙代のコストダウンに関してもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

  1. 【基礎知識】取引基本契約書とは
  2. 取引基本契約書を締結するケース
    1. 【ケース①】継続的に商品を売買する(売買基本契約書)
    2. 【ケース②】継続的に製造物を供給する(継続的製造物供給契約書)
    3. 【ケース③】継続的に業務を受委託する(業務委託基本契約書)
  3. 基本契約(7号文書)と一般的な契約の違い
    1. かかる印紙代が大きく違う!7号文書の収入印紙は一律4,000円
    2. 7号文書の要件とは
      1. 【要件①】営業者の間における契約であること
      2. 【要件②】売買、売買の委託、運送、運送取扱い又は請負のいずれかの取引に関する契約であること
      3. 【要件③】2以上の取引を継続して行うための契約であること(契約期間の記載のあるもののうち、当該契約期間が3ヵ月以内であり、かつ、更新に関する定めのないものを除く)
      4. 【要件④】2以上の取引に共通して適用される取引条件の内、目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格のうちの1以上の事項を定める契約であること
      5. 【要件⑤】電気又はガスの供給に関する契約でないこと
    3. 基本契約(7号文書)と一般的な契約、両方該当する場合の対応
      1. 判断ポイントは契約書の記載金額が算出できるかどうか!
  4. 取引基本契約書の作成方法
    1. 【要件①】営業者の間における契約であること
      1. ①基本合意(目的)
      2. ②適用範囲
      3. ③個別契約の成立
      4. ④引渡し
      5. ⑤検品
      6. ⑥不合格の場合の処理
      7. ⑦特別採用
      8. ⑧所有権の移転
      9. ⑨危険負担
      10. ⑩商品の単価
      11. ⑪代金の支払
      12. ⑫契約不適合
      13. ⑬秘密保持⑬秘密保持
      14. ⑭解約・解除
      15. ⑮損害賠償
      16. ⑯契約期間
  5. 取引基本契約書(7号文書)の印紙代4000円を回避する方法
    1. 【回避術①】契約を分割させて記載金額を明確にしよう
    2. 【回避術②】取引先と交渉しよう
      1. 基本契約を結ぶ必要性を確認して、都度契約することを交渉
      2. 電子契約で締結することを交渉
  6. 取引基本契約書(7号文書)を電子化する方法
  7. 【まとめ】継続的な取引に便利な契約「取引基本契約書」。懸念の印紙代は電子契約で解決!

【基礎知識】取引基本契約書とは

取引基本契約書とは名前の通り、各種取引におけるベースとなる契約内容を定めて記載する文書です。例えば同じ取引先と継続してやり取りする場合、その都度契約が必要になります。また契約内容は同じでも、複数のサービスや商品それぞれで契約書が必要になることもあるでしょう。しかし、取引をする度に、毎回契約書を作成することは煩雑です。
一方で、契約書を作成しない場合、明確な定めがないため問題が生じやすく、紛争が泥沼化する可能性があります。そこで、それぞれの契約に共通する事項やルールを前もって定めておくために取引基本契約書を作成します。

一度取引基本契約書を交わし、共通の条項を基本的なあらかじめ定めておけば、契約ごとにこれらを定める必要はなくなります。特定の取引相手と継続的に取引が生じる場合に結んでおけば、簡易的な注文書請書のやり取りで済ませることが可能です。

また印紙税法により、課税対象であると見なされた書類には印紙を貼りつけて納付しなければなりません。取引基本契約書は印紙税法における7号文書「継続的取引の基本となる契約書」にあたるため、一律4,000円の印紙が必要です。

不要なトラブルを避ける面でも取引基本契約書の作成は大きな意味を持ちます。継続的な取引のある相手であっても、場合によっては予想外の受注を受ける場合が考えられます。例えば突然、いつもより大量の発注がされた場合、対応できない場合も出てくるでしょう。

取引基本契約書にあらかじめ「●カ月前に発注予想を提出する」という項目を記載しておけば、突然の大きな発注で生じるトラブル軽減にもつながります。

取引基本契約書を締結するケース

取引基本契約書を締結する場合、記載する条項は取引内容によってそれぞれ異なります。契約書を交わすことで、何を明確にしたいのか、意図している契約がどこまでをカバーするかを含めて盛り込む条項を見極める必要があります。商品やサービスの売買に関わる部分のみなのか、業務や作業における製造委託を含むのかまで、内容を吟味した上で作成することが重要になります。

具体的には①商品の継続的な売買のみの基本契約、②発注側の要求に基づき売主が製造・供給する形式の継続的製造物供給契約、③業務・作業の継続的な受委託が含まれる契約の3つのケースが考えられます。ここからは3パターンそれぞれの特徴をくわしくお伝えします。

【ケース①】継続的に商品を売買する(売買基本契約書)

買主と売主が複数回にわたって商品の売買を行う際に交わすのが「売買基本契約書」です。取引における基本的な共通事項を取り決めておくために作成するものとなります。商品のチェックや検査・検収に関する事柄、商品に問題があった場合の責任所在などを盛り込むのが一般的です。

さらに細かいポイントや具体的な契約については商品ごとに「個別契約」を結びます。この場合は売買基本契約書と個別契約のどちらを優先するかなども決めておきます。

【ケース②】継続的に製造物を供給する(継続的製造物供給契約書)

受注者が発注者の要望を受け、継続して製品を製作し、供給する際には「継続的製造物供給契約書」を締結します。製品の仕様や品質、数量などをはじめ、納期やチェック方法、契約不適合責任などを記載事項として定めます。業務・作業そのものについて細かく決めておく場合もあります。

発注者からの注文に応じて製品を納入するという面で「請負契約」でもありますが、売買契約や贈与契約などさまざまな側面を持つ契約内容が特徴です。その上で記載事項を定めなければ、トラブルの原因ともなりかねません。

【ケース③】継続的に業務を受委託する(業務委託基本契約書)

業務の委託者と業務の受託者と取り交わすのが業務委託基本契約書です。業務の内容や範囲、検品や納品方法、製品(成果物)の権利関係などをそれぞれ定めます。業務委託基本契約書を交わす契約にはいくつかのパターンに分けられます。

例えば成果物を納入する形の開発制作型(アプリなどの開発、HP制作など)や保守運用型、委託先に常駐してアプリなどの運用などを担うSES契約(システムエンジニアリング契約)などです。

基本契約(7号文書)と一般的な契約の違い

一口に契約書といっても、一定の要件を満たした「課税文書」の場合、印紙税を納めなければなりません。取引基本契約書は「継続的取引の基本となる契約書」とされ、印紙税法の「7号文書」に該当します。同じ課税文書でも「請負に関する契約書」に規定される2号文書とでは印紙代も異なります。また場合によっては課税対象にならない契約書もあります。

ここからは契約書それぞれの課税内容とともに、「7号文書」と見なされる5つの要件について具体的にお伝えします。

かかる印紙代が大きく違う!7号文書の収入印紙は一律4,000円

契約書は内容や要件によって課税金額に幅があります。先に説明した売買契約は「1号文書」、業務委託契約、製造委託契約は「2号文書」となり、記載された金額や契約金額によって税額が異なります。一方で「継続的取引の基本となる契約書」である7号文書の場合、印紙代は一律4,000円です。

文書番号 文書の種類と印紙税
1号文書 売買契約書等
(印紙税の詳細についてはこちら
2号文書 請負契約書
(印紙税の詳細についてはこちら
7号文書 継続取引の基本となる契約書
(印紙税は一律4,000円)

7号文書の要件とは

継続取引の基本となる契約書である7号文書に該当するための要件は、多くの場合次の5つとなります(以下の5要件を満たさない場合であっても7号文書に該当するものもありますが、代理店契約書(印紙税法施行令26条1項2号)、業務委託契約書(同2号)、銀行取引約定書(同3号)、信用取引口座設定約諾書(同4号)、保険特約書(同5号)などの特殊な契約書ですので、今回は説明を省略します。)。以下のすべてが当てはまる場合、7号文書に該当することとなります。

【要件①】営業者の間における契約であること

契約者それぞれが「営業者」である場合の契約が該当します。国税庁によれば営業者は「営業を行っている者」であり、営業とは利益の有無を問わず「利益を得る目的で、同種の行為を反復的、継続的になすこと」としています。そのため、利益配当が法律で制限されている公益法人(公益社団法人、公益財団法人、学校法人など)、また商法において商行為にあてはまらない職業(医師や税理士や弁護士また整体師など)、農林漁業等の原始生産者は営業者に当てはまりません。

※参考 国税庁
www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/15/16.htm

【要件②】売買、売買の委託、運送、運送取扱い又は請負のいずれかの取引に関する契約であること

取引の内容が「売買、売買の委託、運送、運送取扱又は請負」のどれかに関連するものであれば7号文書に該当します。

とはいえ、取引内容について明確に判断することが難しいケースもあります。例えば「請負」契約と委任契約、準委任契約の区別は難しいですので、専門家に相談するなど細かなチェックも必要になるでしょう。

【要件③】2以上の取引を継続して行うための契約であること(契約期間の記載のあるもののうち、当該契約期間が3ヵ月以内であり、かつ、更新に関する定めのないものを除く)

3つ目の要件は取引そのものが2回以上、継続して行われる契約であることです。一般的に契約期間が設けられていてスタート期間と終了期間があるものについては「2以上の取引」と考えられます。一例として12個の製品をある一定日に12個の売買契約を交わし、その後月ごとに1個ずつ納品する場合は1取引、最初から毎月1個ずつを1年間にわたって販売すると定めた場合は2以上の取引と判断できます。

ただし契約期間が3カ月以内で、更新ルールが定められていない場合は7号文書から除外されます。

※参考 国税庁
www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/15/05.htm

【要件④】2以上の取引に共通して適用される取引条件の内、目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格のうちの1以上の事項を定める契約であること

要件③の2以上の取引に適用される取引条件のうち、次の「基本的な取引条件」が7号文書では定義されています。

7号文書の定義
  1. 目的物の種類(製品の品名や名称)
  2. 取扱数量(月別の最低取り扱い数値など取引における具体的な数値内容)
  3. 単価
  4. 対価の支払方法(何日に振り込むかなど)
  5. 債務不履行の場合の損害賠償の方法(債務不履行が起こってしまったら、どのように損害賠償がなされるのか、金額や支給方法など)
  6. 再販売価格(メーカーや卸などから商品を買い受けた事業者が販売する価格)

このうちの一つ以上の事項を記載していることが必要です。

【要件⑤】電気又はガスの供給に関する契約でないこと

電気やガスの供給に関する契約は7号文書に当てはまりません。

基本契約(7号文書)と一般的な契約、両方該当する場合の対応

お伝えしたように、上記の5つの要件を満たした場合、基本契約である7号文書と考えられます。ところが場合によっては基本契約と一般的な契約、どちらの要件にも当てはまってしまうことがあるのです。このようなケースでは、印紙の税額について何を基準にすればいいのでしょうか。

7号文書と区別がつきにくいのが2号文書です。2号文書は「請負」契約に関する書類で、製造委託契約などで交わされるものです。7号文書の要件②にも「請負」があります。請負契約で2号文書か7号文書か迷った場合、契約書の記載金額が大きな意味を持ちます。

判断ポイントは契約書の記載金額が算出できるかどうか!

判断基準は2号文書か7号文書それぞれの条件が当てはまる契約の際、書かれた金額(契約金額)が計算できるかどうかです。計算が可能なら、2号文書に該当します。

実際の例を挙げて考えてみましょう。

2号文書に該当する例

■エレベーターの保守契約(3カ月以上の契約期間が前提)。
月額の契約を5万円とし、契約期間は1年間(令和5年4月1日より1年間とする)
この契約では5万円×12カ月=60万円という式で契約金額の算出が可能です。
金額が計算できるので、2号文書に当たります。

一方で、同じような契約でも期間延長についての記載があるものもあります。「令和5年4月1日より1年間とする。満了の際に双方いずれも意義がない場合は、1年更新とする」といった内容です。この場合も契約期間の更新についての記載であり、60万円という金額はそのままですから2号文書と判断します。

最後にもう1つ例をご紹介します。

7号文書に該当する例

■エレベーターの保守契約(3カ月以上の契約期間が前提)
月額の契約は5万円までは同じですが、「契約は令和5年4月1日から有効」のみで契約期間が具体的に明記されていない場合はどうでしょうか。
こちらは金額の算出は不可能なため、7号文書に該当します。

取引基本契約書の作成方法

取引基本契約書に記載すべき条項が盛り込まれていなかったため、後にトラブルにつながったケースは少なくありません。また2020年4月より契約において売主に課される「瑕疵担保責任」の文言が「契約不適合責任」に変わるなど一部が改正された民法が施行されています。

そこでここからは、取引基本契約書の作成において、トラブルやリスクを避けるために欠かせない記載項目などについて、ルール変更などの注意点を交えて順に解説します。

取引基本契約の記載項目

取引基本契約に記載すべき条項は以下の通りです。

①基本合意(目的)

取引のベースとなる部分です。契約の目的(例:商品の売買などを)を明らかにします。例えば“甲が取り扱う商品を継続的に売り渡し、乙がこれを買い受ける”のような形で記しておきます。

また商品の売買ならどちらが売主(受注者)、買い主(発注者)なのかがわかるように記載します。取引基本契約における売買の目的物となる商品名なども書いておきます。

②適用範囲

取引基本契約書で定めた内容がどういった取引に適用される(影響があるのか)を決める部分です。“本契約に規定する内容は、甲乙間の個々の売買契約に対して適用される”といった形で記載します。

さらに取引基本契約書で交わした内容とは別に、個別契約書を交わすケースもあります。毎回の発注とは別の条件であるイレギュラーな発注がある場合などです。その際に取引基本契約書と個別契約書の内容のどちらが優先するのかをはっきりさせておきます。“個別契約に本契約と異なる条件を定めた場合は、 当該個別契約の条件を優先して適用する”などと記載します。

③個別契約の成立

商品の発注年月日、目的物の名称・品番、数量、納期、納入場所などの発注にかかわる部分についてのルールを決めておきます。発注書(注文書)の提出方法、例えば紙の文書なのか、FAX提出なのか、もしくは電子メールでも可能なのかという点を記します。“甲は、乙の発注内容を承諾しない場合には、注文書到達後5営業日以内に、乙に対してその旨を通知しなければならない”のように、契約成立の詳細を定めます。

④引渡し

商品を引き渡すための場所や納入期日を記載します。また“引渡しにかかる費用は、甲の負担とする。”のように、引渡しに必要な送料などの費用はどちらが負担するかも必要に応じて明記しておくといいでしょう。

⑤検品

商品の検査方法やどのくらいまで(例:5営業日以内)に検査を行い、通知するのかについて決めておきます。また一定期間が過ぎても通知がなければ、検査に合格したものとみなすなどの検品のルールを取り決めておくと、双方の手間が省け、検品の効率化も図ることができます。

⑥不合格の場合の処理

検品の結果、不合格になった際にはどのように対処するのかについてもあらかじめ決めておきます。不合格の基準、例えば品質の問題、数量不足・数量超過などそれぞれのケースでの処理を定めます。追加納品の場合のスケジュール、超過分の引き取りなどの部分です。また売主は検査の結果に意義がある場合、いつまでに通知すべきかなども記載します。

⑦特別採用

検査後に不採用となった場合でも、条件次第では採用となる場合について記します。“協議の上、価格を決定し、特別にこれを引き取ることができる”のように記載しますが、不合格品の値引きなどについても書いておきます。

⑧所有権の移転

商品が売主から買主に変わる時期、所有権の移転を記します。所有権が移る時期としては「商品を引き渡したとき」や「代金を支払ったとき」が一般的です。また⑦特別採用となったケースについての所有権の移転についても定めておきます。こちらは「特別採用の合意成立時に移転する」のような形で記載します。

⑨危険負担

商品の引き渡し前に破損や紛失、劣化などのトラブルが生じた場合の対処について定めます。損害は誰が負担するのかどうかという点です。また引き渡し後の責任については“甲の責めに帰すべき事由による場合を除き、乙の負担とする”のようにあらかじめ決めておきます。

⑩商品の単価

商品の単価をどのように定めるのかを記します。売主(受注者)がまず見積もりを提示し、それをもとに“甲乙間の協議”で決定することを明記する場合がほとんどです。

⑪代金の支払

商品の代金をどのように支払うかを定めます。締め日と入金日を“毎月末日締め、翌月15日に甲が指定する金融機関の指定口座に振り込む方法により支払う”のような形で記載します。また振込手数料はどちらが負担するのかも明記しておくことも大切です。

中でも下請法の下請取引では、ルールに則って振込手数料負担を明らかにしなければなりません。不要なトラブルを回避することにもつながります。買主が売主に金銭債権を持つ場合、相殺が可能です。相殺を望まない場合は、きちんとその旨を記載しておきます。

⑫契約不適合

商品が「契約の内容に適合しない」場合にどのような対応が得られるのかも事前にルールとして定めます。内容は商品の補修や代替物、不足分の引渡しなどの対応、代金の減額、損額賠償などが主な項目になります。イレギュラーな特別採用品についても別途決めておきます。

契約不適合責任については民法上で以下のように定められています。

  • 買主は「不適合を知ったときから1年以内」に不適合の内容を売主に通知する
    (改正民法第566条)。
  • 請負人は「不適合を知ったときから1年以内」に不適合の内容を発注者に通知する
    (改正民法第637条1項)

売主が引渡しの時にその不適合を知っている、または重大な過失によって知らなかった場合は契約不適合責任を追及できる(民法566条但書)という例外はあるものの、基本的には「不適合を知ったときから1年以内」と定められています(法人間の売買等は、商法第526条2項が適用され、売主は買主に対し、商品引渡し後契約不適合を発見した場合直ちに売主に対して通知を発しなければならず、契約不適合が直ちに発見することができない場合は6か月以内に不具合の内容を通知しなければならないとされています。)。

ただし、これらは任意規定ということもあり、契約者双方が合意すれば「不具合を知ったときから1年以内」を修正することができます。民法の規定と異なる期間を希望する場合は、期間の長短にかかわらず明記しておきましょう。

⑬秘密保持

取引基本契約書や個別契約などで知った営業機密を第三者に漏らさないという取り決めもしておきます。“事前に相手方の書面による同意を得た場合を除き、本契約および個別契約により知り得た相手方の営業上の秘密を第三者に漏洩してはならない”のような形で記します。

⑭解約・解除⑭解約・解除

契約の解約、解除を行う際の条件を記載します。“■カ月前に書面で予告すること”のように記載します。契約解除で生じうる損害についての賠償についても記します。

⑮損害賠償

納入遅延や商品の品質不良などが生じ、それによる損害が発生した場合の賠償について盛り込んだ項目です。民法では 契約違反(債務不履行)によって通常生じた損害や特別の事情によって生じた損害のうち、当事者(債務者)が予見すべきであったときに生じた損害(民法415条、416条)について損害賠償できると定めています。

民法に則らない損害賠償のルールを設ける場合は、明記します。一般的にはどのような要件(契約違反など)で損害賠償の責任が生じるのか、その範囲、上限などを記します。

⑯契約期間

“契約締結から■年間”という形で契約期間について記載します。自動更新を行う場合は、“契約終了日から〇か月前までに当事者の一方から相手方に対して契約の更新について異議が出されない限り、本契約は同一の内容で更新されるものとする”などと記しておきます。

取引基本契約書(7号文書)の印紙代4000円を回避する方法

基本契約書の作成方法や記載項目などについて詳しく説明してきました。ここからは応用編として、収入印紙代の削減などの節約方法をお伝えします。
「取引先から印紙代が必要となる基本契約書(7号文書)の締結を求められているけれど4000円の印紙代が高い」という方はぜひ参考にしてください。

【回避術①】契約を分割させて記載金額を明確にしよう

上で解説した「■基本契約(7号文書)と一般的な契約、両方該当する場合の対応」の通り、記載金額が算出できれば7号文書にはあたりません。そこで契約書には月額の契約金額と契約期間を明記し、期間中の契約金額を算出します。これは一つの契約を分割し、個別契約を繰り返すため7号文書の要件となる「2以上の取引」から外れることになるのです。

契約を分割させ、記載金額を記載する点に注意し、契約書を作成することで印紙代の節約につながります。

【回避術②】取引先と交渉しよう

基本契約を結ぶ必要性を確認して、都度契約することを交渉

印紙代のコストダウンをめざし、取引先と交渉するのも一案です。
とはいえ、受注先に意見するのはなかなか難しい部分もあるかもしれません。
実績と信頼関係があれば、今後も長いおつきあいになるはずです。
契約を分割させ記載金額を記載できれば、印紙代4000円がコストダウンできる点を丁寧に説明します。取引先には何のデメリットもない旨を理解してもらうのがポイントです。

可能であれば…と「無理なお願いをしている」ことを前提に都度契約についてもお願いしてみましょう。

電子契約で締結することを交渉

基本契約ではなく都度契約の締結に同意をもらえた場合や基本契約の締結に同意をもらえた場合は第一のステップをクリアしたと言えるでしょう。一方で個別契約には手間もかかるため、了承してもらえない可能性もあります。
そこで最後の奥の手として電子契約があります。

実は契約書をPDF化するなどの電子書類であれば国税庁の示す“電磁的記録”となり、収入印紙は必要ないと考えられています。電子契約の導入により、印紙税の節約ができるのです。

業務効率化を目的とし、国は「電子取引」に関するデータ保存の義務化を進めてきました。電子帳簿保存法の改正などもあり、電子化に関しては今や多くの企業が取り組んでいるところです。取引先にとっても電子契約に切り替える契機でもあるはずです。印紙代も0円になるのですから、提案してみるのも一つの手でしょう。

取引基本契約書(7号文書)を電子化する方法

基本契約書の電子化は、印紙税の節約ができ、作業そのものも効率化できるなどさまざまな利点があります。ただ従来の契約書とは異なる注意点もあります。

まず原則として電子契約に合わせて契約書の文言を変えなければなりません。これは基本契約書に関わらず通常の契約書の電子化全般で対応が必要です。例えば契約書で「書面」と記された箇所は「電磁的記録」に変更します。また電子契約では印鑑の代わりに電子署名を、契約書のデータは電子データのまま保管することになります。

契約書の保管はプリントアウトするのではなく、電子データをダウンロードしてPCやGoogleDriveといったオンラインストレージを利用する方法があります。できればタイムスタンプや電子署名などに対応した電子契約サービスを活用するといいでしょう。効率化を図りつつ、書類の信頼性が担保できるためです。

詳細は【弁護士監修】電子契約用の契約書の文言の作り方&変更箇所を解説をご覧ください。

【まとめ】継続的な取引に便利な契約「取引基本契約書」。懸念の印紙代は電子契約で解決!

契約そのものは口約束でも成立します。しかし、契約書がなければ「言った」「言わない」のトラブルに発展する可能性もあります。また契約書は証拠の役割も果たすため、紛争などの際に契約書がなければ不利な状況に陥るリスクもあるのです。

ビジネスにおいて継続的な取引を行う場合は「取引基本契約書」を作成することをおすすめします。
加えて今後は、業務効率改善やコスト削減、セキュリティ強化、社内の省スペースなどのメリットからビジネス書類の電子化が進んでいくでしょう。法改正も電子化を後押ししています。

ただ、電子契約書の手続きには電子署名やタイムスタンプが必要になるなど紙の契約書とは異なるフローが発生します。新たに手続きするのは何かと煩雑で時間がかかります。電子契約『クラウドコントラクト』はシンプルで操作性が高いため、直感的に使えるのが強みです。

タイムスタンプや電子署名といった必須機能に加え、契約状況の確認機能なども使えます。無料トライアルを実施していますから、ぜひ一度操作して、使い勝手をお試しください。

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