【弁護士監修】ゼロからわかる契約書の書き方&作り方

監修:朝倉由美(弁護士。弁護士法人One Asia所属)

契約書の書き方や作り方、契約書を作る上で知っておくべきことが知識ゼロの状態から理解できるように、どこよりも詳しく解説しています。契約書の書き方や盛り込むべき内容もとても詳しく載せているので、ぜひご活用ください。

【確認必須】契約&契約書に関する基礎知識

ポイント
  • コンビニで買い物するといった身近なシーンでも契約は発生している
  • 口頭でも成立するが、ビジネスではトラブル防止の観点から契約書を作るのが一般的
  • 契約書のひな形を使う際もリーガルチェックは必要
  • 電子契約にも法的効力はある

そもそも契約書とは

そもそも契約とは、特定の事項について当事者で合意をして、法律上の権利義務関係を発生せるものをいいます。法律上の権利義務関係を発生させる、というと難しいものに思えるかもしれませんが、たとえばコンビニエンスストアでアイスクリームを購入する場合、アイスクリームを引き渡す義務(受け取る権利)・金銭を支払う義務(受け取る権利)というものが発生しており、身近に頻繁存在しているといえます。

契約の成立要件とは

契約の成立に必要なものは、当事者の申込と承諾です(民法第522条1項)。先のコンビニエンスストアでアイスクリームを買う例でいうと、アイスクリームを買いたいという申込と、アイスクリームを売るという承諾があることが必要であるということになります。
このように、契約は当事者同士の合致があれば口頭でも成り立つため、成立に紙の契約書や印鑑は必ずしも必要であるわけではありません。しかし、契約書は契約内容を確認やトラブルになった際の訴訟の証拠として役立つため、ビジネスでは契約書を作成して契約を締結することが一般的になっています(※メールなどで締結の作業を簡略化することもあります)。

ただし、契約の中でも要式契約と呼ばれるものについては、意思の合致だけでは足りず、書面の作成や届出が必要であると定められています。(民法第522条2項)。これに該当するのは保証契約です。保証契約は書面で行われなければならないとされていますので(民法第446条)、申込と承諾だけでは足りず、契約書を作成しなければなりません。

主な契約の種類

契約には様々な種類があり、契約書の作成で注意すべき点や盛り込むべき事項も契約の種類によって異なります。ここでは、主に利用されている8種類の契約をご紹介します。

基本契約 継続して取引を行う予定がある場合に、今後交わす契約に共通して適用する内容を定める契約。
個別契約 基本契約で定めた契約を行う際、取引ごとに個別に条件を設定する際に締結する契約
請負契約(業務委託契約) 何らかの業務の遂行と完成(例:WEBサイトの制作)を相手に依頼する際に締結する契約。請け負った者は仕事を完成させる義務を負う。
委任契約 何らかの業務の遂行を相手に依頼する際に締結する契約。依頼仕事の完成を目的としない点で請負契約と異なっている。
雇用契約 使用者(雇用主)が被用者(労働者)を使用(労働してもらい)し、その対価に報酬を提供する契約。
秘密保持契約(=NDA) 業務で知った情報を第三者に漏洩することを禁じる契約。双方の関連会社や弁護士などを除く場合が多い。
売買契約 売主が買主に何らかの物の財産権を移転し、買主が売主に対価を支払う契約。
代理店契約 商品の製造者やサービスの提供者が他者に販売を依頼する際に締結する契約。

契約書の雛形(テンプレート)は使用してよいか?

インターネットなどで配布されている雛型・テンプレートは、法律の専門家が作成に携わっている場合が多いため、使用すること自体は問題ありません。ただし、必ず専門家に内容のチェックを依頼しましょう。

専門家のチェックが必要な理由は、雛型・テンプレートを利用すると、具体的事情のもとでは、その契約条項を入れていると自社に不利な契約条件を結んでしまう可能性があるためです。
例を挙げると、大阪の会社が管轄の合意を東京地方裁判所としている契約書の雛型・テンプレートを用いた場合、万が一トラブルになったときに大阪地方裁判所に提訴できなくなってしまいます。

このような事態を避けるためにも、出来る限り専門家に相談・チェックをしてもらって契約書を作成することが望ましいです。また、さらに安心安全な契約書を使いたい方には、作成から弁護士に依頼することをおすすめします。

電子契約に法的効力はあるのか?

契約は意思の合致をすると成立します。この意思の合致に具体的な方法は定められていないため、意思の合致や契約書類のやりとりをインターネットを介して行う電子契約でも契約の成立には問題ありません。よって、メールを使った契約や電子契約サービスを使った契約も有効です。

ただし、電子契約では契約書が電子データとなるため、改ざん防止の対策を行う必要があります。これには「いつ契約に同意したか」が証明できるタイムスタンプが効果的なので、メールよりも電子契約サービスを使用するのがおすすめです。

ゼロからわかる契約書の作り方

STEP1.契約内容を確認する

【ポイント】この5つを明確に!
  1. 何についての契約を行うのか
  2. 期間
  3. 金額
  4. 相手の義務
  5. 自分の義務

契約書は契約内容を書面にするものです。そのため、前提となる契約内容を明確にする必要があります。ここでは次の5つを明確にしましょう。

  1. 何についての契約を行うのか
  2. 期間
  3. 金額
  4. 相手の義務(自分の権利)
  5. 自分の義務(相手の権利)

特に自分・相手の権利義務の内容は、「履行できないような過酷な内容になっていないか」「履行できなかった場合の対応は適切か」といった観点から確認しておく必要があります。

STEP2.基本的な構成(体裁)に則って契約書を作る

日本では自由契約が認められているため、契約書はどのようなものでも成り立ちます。
しかし、ビジネスの現場で実際に作られている契約書にはある程度決まった型が存在するため、ビジネスで使う契約書を作成する際はこの型に沿って契約書を作成しなければなりません。

STEP2では、型に則った契約書の作り方を具体的に解説していきます。

1.表題(タイトル)をつける

ポイントと注意点
  • 表題=契約書のタイトル
  • 「業務委託契約書」といった、何についての契約なのかひと目で分かる名前にする

表題とは、契約書のタイトルのことをいいます。直接契約内容に影響する部分ではないので、誤ったことを記載していても、それが原因で契約が無効になったり、不利な契約内容となるようなことはありません。しかし、この書面がどのような書面か判別しやすいようにする必要があるので、どのような契約書でも必ず記載します。

表題は売買契約であれば「売買契約書」、業務委託契約であれば「業務委託契約書」といった形で、その契約書が何の契約をするものかを一目で分かる名前にしましょう。

2.前文をつける

ポイントと注意点
  • 文中に何度も登場するものの略称(甲・乙など)の定義付けの文章を置くのが一般的
  • なくても問題ない

次に前文です。前文には、契約書内に登場する会社名の表記に関する略称や、契約の要旨を記載します。当事者の氏名・名称は当然ですが正確に記載する必要がありますが、すべての条項で正確に記載することを求めることはせずに、略称(甲・乙・丙…)で表記します。そのため、誰が甲で、誰が乙で、ということを前文で特定し、その上で契約の要旨を記載します。

記載例

株式会社〇〇(以下、「甲」とする。)と、□□□□(以下、「乙」とする。)は、△△に関して業務委託契約を締結する。

3.契約内容を記載する(メインの内容)

ポイントと注意点
  • 契約書のメインとなる箇所で、契約内容を定める
  • 重要度または時系列で順番に記載するのが一般的
  • 一般条項と主要条項がある
  • 各項目は第◯条といった形で区切る事が多い

次に、契約内容を作成します。こちらはいくつかの条項を記載することがあるのが通常ですが、どの内容から記載するかについて決まりはありません。一般的には重要度または時系列で順番に記載することが多いです。

例えば、売買契約の場合には、物の引き渡しと金銭の支払いが主な内容ですので、先にお金を払う場合には金銭の支払いについて記載し、金銭の支払いがされて以降の物の引き渡しの流れを記載します。ここからは契約書の中身の部分になるので、一つ一つの項目を「第〇条」という形で区切ります。

記載内容には、どのような契約でも問題となる一般条項と、その契約でのみ問題となる主要条項があります。

4.契約期間を定める条項を作る

ポイントと注意点
  • 契約が有効となる期間を定める必要がある
  • 特に申し出がない場合は自動で延長するという規定を使うことも多い
  • 秘密保持契約など、一部の契約は期間を定めない場合もある

次に契約期間についての定めをしましょう。

金銭の支払いや、物の引き渡しなど、一度で終わるものについては、いつの履行とするか、いつまでに履行しなければならないか、という期間を記載します。一定のサービスの利用や、一定の期間に決められた回数の納品をするなど、契約の内容として期間が問題になるものについては、契約が有効となる期間の定めをしておきます。

契約期間は、当事者間の話し合いで決めますが、細かい規定(申し込みをした日か翌日からか、きっちり1ヶ月なのか・翌月末までなのか、etc..)について、明確になるようにしましょう。

記載例

第〇条(契約期間)
本契約の有効期間は、令和3年4月1日から令和3年10月1日までとする。
本契約の有効期間は、令和3年4月1日から翌月末までとする。

サービスの利用など、契約で定められた期間を経過した後は、同一の契約を繰り返すことが通常である場合には、契約期間を自動で延長する旨を記載しておきましょう。

5.損害賠償について記載する

ポイントと注意点
  • 契約の不履行等による損害の賠償の規定
  • 民法の定めにより、なくても損害請求自体は可能
  • 解釈の違いを防止することなどを理由に盛り込むことが一般的

契約内容を常に履行できるとは限らないため、契約を履行しない結果、損害が発生する場合には、損害賠償請求をすることになります。そこで、契約書には損害賠償の規定を定めておきます。

契約条項を履行できない債務不履行によって損害が生じた場合には、損害賠償請求ができる旨が民法第415条以下に規定されています。そのため、契約書に規定をしなくても、損害賠償自体は可能です。しかし、何も定めがなければ、損害賠償義務や損害賠償の額などを主張・立証しなければなりません。

そこで、契約書では、何があったら損害賠償義務があるか、損害賠償の額を定めておきます。どのような場合に損害賠償義務があるか、どの範囲の損害を補填すべきか(損害賠償を拡張する、限定するなど)、損害賠償の額、利息の額、損害賠償請求の行使期間などを規定しておきましょう。

記載例

第〇条(損害賠償)
甲・乙は、本契約に違反し相手方に損害を与えたときには、相手方にその損害を賠償しなければならない。

6.契約譲渡の禁止について記載する

ポイントと注意点
  • 契約上の権利義務や地位の譲渡を禁止する条項
  • 権利義務や地位の譲渡を行いたい場合は協議と双方の合意が必要とする場合が多い

契約をした後に、契約上の地位を譲渡することについて条項を定めます。

契約においては、債務を履行さえすれば良い、という場合と、その人・会社だから契約をしたという場合があります。前者の場合であれば、義務を履行する当事者が変わっても問題ないのですが、後者の場合には勝手に別の人が義務の履行を行うのを認めるべきではありません。そこで、契約上の地位の移転には、契約上の地位を譲渡する旨の合意が必要としています(民法第539条の2)。契約上の地位の移転を認めるかどうか、認める場合の合意の方法について、契約書で記載しておくようにしましょう。

通常は、契約上の地位の移転が必要になったときに、新たに書類を取り交わすことになります。

7.秘密保持について記載する

ポイントと注意点
  • 業務や取引の情報やそれらを通して知り得た情報を第三者に漏洩することを禁止する条項
  • 子会社や関連会社、弁護士等の専門家を除く場合が多い
  • 契約期間が過ぎてもこの条項は効力が続くようにするのが一般的

次に、秘密保持について確認しましょう。

契約の内容によっては、相手)の秘密を取り扱うこともあります(例えば、相手会社のホームページ集客を請け負う際に、相手の会社の経営上の戦略や予算、顧客情報などを取り扱うといったケースです)。

秘密保持契約は契約交渉の前から結ぶこともありますが、正式に契約をした後に新たに取り扱う秘密もあるので、契約の中で秘密保持に関する条項を設けることになります。契約書に記載する内容としては、秘密情報とはどのようなものか定義をした上で、秘密保持義務について記載します。

記載例

第〇条(秘密情報)
本契約において「秘密情報」とは、…をいう。ただし、次のいずれかに該当するものについては除外する。
(1)…

第〇条(秘密保持)
甲および乙は、秘密情報を相手の承諾を得ずに第三者に開示又は漏洩してはならない。

8.契約解除事由について定める

ポイントと注意点
  • どのような場合に契約を解除できるのかを定める条項
  • 箇条書きにすると見やすくて良い
  • 定めておかないと契約解除が可能な条件が債務不履行に限定されてしまう
  • 義務の違反といった問題の発生時以外は双方の協議で解除できるようにすることが一般的

次に契約解除事由について記載します。

契約解除事由とは、どのようなことが発生すると契約を解除することができるかについて記載します。この条項がなくても、民法で契約を解除できる場合についての規定がありますが、それだけでは契約解除が遅くなり不利益を被ることがあります。そのため、どのような場合に契約を解除することができるか、契約の解除に事前の催告を必要とする場合、催告がなくても契約の解除をすることができる場合、について条項を置いておきましょう。

記載例

第〇条(解除)
甲又は乙は、相手方が本契約に違反したとき、書面により催告をするものとし、催告後相当期間を経過してもなお是正がされない場合に、本契約の全部または一部を解除することができる。
2 甲又は乙は、次の各号の該当する事由が発生した場合には、催告なく本契約を解除することができる。
(1)…
(2)…

9.管轄合意(訴訟で使用する裁判所)について定める

ポイントと注意点
  • トラブルになったときにどこにある裁判所を使うかを定める条項
  • 定めておかないと、遠くの裁判所に行く羽目になる可能性がある

契約について争いになり、争いを解決するために裁判を起こす場合について、どの裁判所に裁判を提起するかについての合意のことを管轄の合意と呼びます。

裁判は訴訟を起こした裁判所で行われるため、自社の所在地から離れた場所にある裁判所に訴えを起こされてしまうと、出廷に多大なコストを払うことになります(たとえば、東京にある自社へ向けた訴訟が大阪地方裁判所で起こされた場合、裁判のたびに大阪まで行って出廷しなければなりません)。このような事態を避けるためにも、なるべく自分に有利な条件の管轄の合意をするようにしましょう。

記載例

第〇条 (合意管轄)
本契約に関する一切の紛争(裁判所の調停手続きを含む)は、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意する。

10.完全合意の条文を記載する
ポイントと注意点
  • 契約書の内容に完全に合意し、それまでの協議や覚書の内容を無効化することを定める条項
  • 契約は契約書がなくても成立するため、この条項がないと、裁判ではそれまでの協議の議事録やメールなどの内容も含めて争うことになる可能性がある。

次に完全合意条項を定めましょう。

完全合意条項とは、作成された契約書の内容が当事者間の完全な合意であることを意味し、契約交渉において協議していたり、覚書を交わしていた内容ではなく、契約書に書かれた事項によって合意したものとするものです。つまり、途中で合意していた事項などについては、最終的な契約書の通りに書き換えられたものとすることになります。

記載例

第〇条(完全合意)
本契約は、本契約の対象となる事項について当事者間の完全な合意を示すもので、本契約締結までに当事者間でなされた書面、口頭又は黙示的になされたあらゆる合意は、その効力を失うものとする

11.準拠法を定める

ポイントと注意点
  • 契約書をどの国の法律に基づいて解釈するのかを定める条項
  • 通常は日本で良い

次に、準拠法を定めましょう。

昨今では契約当事者が国をまたぐこともあり、どちらの国の法律によって契約の運用がされるかが問題となることがあります。そのため、契約では、どちらの国の法律によるかを記載します。

↓ここ、CSSで装飾↓
記載例
第〇条 この契約は、日本法に準拠し、日本法に従って解釈されるものとする。

12.分離可能性について記載する

ポイントと注意点

法律の改正等で契約書の一分の内容が無効化されても、該当する箇所以外は引き続き有効だと示す条項。

契約締結当時の状況で有効であることも、後には変化して無効となることがあります(たとえば、契約当時の法律では取引が可能であったものが、後に取引を禁止されることで引き渡しができなくなってしまうというケースです)。この場合に、その条項だけを無効として、他の条項については有効として分離することができるか、分離可能性について規定をします。これが分離可能性です。

どの国でも法律は随時追加や修正が行われますので、必ず定めておきましょう。

記載例

第〇条
本契約のいずれかの規定が、理由の如何にかかわらず、無効、違法または強制不能となった場合において、本契約の残りの規定の有効性、適法性および強制可能性は、そのことにより影響を受けずまたは損なわれないものとする。

13.通知条項(相手への連絡を必須とする事由)を記載する

ポイントと注意点
  • 通知条項には、一定の事由の通知の義務と通知の方法に関する取り決めがある
  • 経営に影響を及ぼす事由が発生した場合に通知をする義務を定めておく
  • 連絡方法について定めておくと管理がしやすい

次に、通知条項を定めましょう。通知条項には、「一定の事由が発生したときに相手に通知する義務を定める条項」と「通知の方法についての条項」の二つの意味があります。

前者の意味での通知条項は、一定の事由が発生したときに、相手にそのことを通知する義務を定めるものです。大きな契約をする際には、相手が契約相手として問題ないか、信用状態を調査してから契約をすることがあります。しかし、例えば代表者の変更、会社の合併・事業譲渡をする、資本金を減少するなど、会社の経営に影響を与えることがあった場合には、契約をそのまま続けることが適切でなくなることがあります。そのような事由が発生したときには、相手に通知する義務を定めておきます。

記載例
第〇条
甲および乙は、次の各号に定める事由が生じたときには、相手方に対してその旨を速やかに通知しなければならない。
(1)…
(2)…

(6)その他営業・資産状態に著しい変動を生じるおそれのある場合

後者の意味での通知条項は通知についての方法についての定めを置くもので、主に英文の契約書で使われています。

意思表示の方法には

  • 直接対面で話す
  • 電話やFAXを使って通知をする
  • 書面で送付する
などがあります。一般的に内容証明を利用することが多いのですが、取引相手が外国の場合は内容証明を利用するビジネス慣行がないため、どのような方法での通知を行うかを決めておきましょう。

記載例

第〇条(通知条項)
本契約上書面で行うことが要求または許されている全ての通知以下のいずれかの方法により行われなければならない。
(1)…
(2)…

14.後文をつける

ポイントと注意点

契約の合意の確認や保管方法などを定める項目。

次に後文を記載しましょう。

後文とは、各条を記載した最後に記載するもので、契約書の内容を締めくくるものです。契約書を当事者の数だけ作成し、それぞれ1通づつ保管する旨を記載するのが通例となっています。

記載例

本契約成立の証として、契約書を2通作成し、甲乙それぞれ記名・捺印の上、各1通を保管する。

15.日付欄を作成する

ポイントと注意点
  • 日付の記載がないといつから有効な契約書なのか判断できないため必須。
  • 西暦と和暦はどちらでもよい

次に日付欄を設けましょう。

契約がいつ結ばれたのかを証明するためには、契約書に日付があることが必須です。そのため、契約書には日付欄を設けて契約時には互いに記載するようにします。

和歴・西暦どちらでもかまいませんので、確実に特定できる日付を記載しましょう。

記載例

令和  年   月  日

16.署名・押印欄を設ける

ポイントと注意点
  • 最後に、全員の署名欄と押印欄を設ける
  • 電子契約の場合は押印欄が不要

最後に署名・押印欄を設けます。

当然ですが、契約の当事者がきちんと契約内容に合意したことを証明するために、署名・押印を行います。署名とは氏名を自書することをいい、契約書には住所・氏名を記載します。押印は、個人の場合は実印を、会社の場合には会社印を押印します。

この欄については、前文で契約当事者を甲・乙などとしているので、甲・乙とそれぞれ署名・押印をすることになります。

記載例



※右側に署名・押印できるスペースを設ける。

なお、電子契約の場合は押印無しで契約が成立しますので、押印欄は必要ありません(これはタイムスタンプと電子署名という法的に認められた技術を用いているためです)。

STEP3.無効な条項がないか確認する

この2つは書いても無効!!
  • 公序良俗に反する内容
  • 強行法規に触れる内容

契約書には書いてはいけない内容・書いても無効になる内容も存在しますので、忘れず確認するようにしましょう。

公序良俗に反する内容とは

公序良俗とは、「公の秩序又は善良の風俗」を省略したもので、民法第90条で公序良俗に反する法律行為は無効とされています。例えば、食品衛生法で禁止されている物を混入したものを納品するような契約を結ぶものです。

このような契約条項があると、契約全体が無効となったり、該当する条項が無効となったりします。

強行法規に触れる内容とは

強行法規に触れる内容の契約がある場合には注意が必要です。

強行法規とは、契約などによって変更することが認められていない法律の規定をいいます。法律で規定されている事項も、基本的には契約で内容を変更することができます(変更することができる内容のことを任意規定と呼びます)。しかし、当事者間で自由に内容を変更することができない強行法規に触れる契約は無効となることになるので注意が必要です。

STEP4.契約書の形式を整える

文章が完成したらやること
  • 製本
  • 契印
  • 署名
  • 押印
  • 割印
  • 印紙の貼り付け

契約書の文章が完成し、相手の合意が取れたら最後は仕上げです。こちらも1つずつ解説していきます。

1.製本する

契約書が複数枚にわたる場合には、保管の観点から製本が行われます。

製本とは複数枚の印刷物をまとめるもので、表紙をつけたり、袋とじをつけたります。複数枚にまとめる場合には、後述の契印を押した上で、ホチキス止めにします。ホチキス止めの場所を指定する法律はありませんが、契約書の左側を二ケ所とめるのが一般的です。とめた部分をふくろ閉じにするための製本テープが販売されていますが、別に紙を利用して行うこともあります。

2.契印を押す

印鑑は契約書中の当事者の署名・押印につかった印鑑と同じものを利用します。

3.署名を行う

契約で言う「署名」とは、自分の氏名・住所を自書することを言います。上述した契約書の署名・押印欄に、自己の氏名と住所を自書しましょう。

会社として契約をする際には、会社名・会社の所在地・代表権を持つ取締役の氏名を記載します。

4.押印する

押印とは文字通り印鑑を押すことです。署名に続いて押印を行います。

ここで利用する印鑑は、前述した契印や割印、訂正印としても利用するので、個人の場合は印鑑登録をしている実印を、会社の場合には会社印を利用します。

5.割印を押す

割印とは、文書が複数作成されたことを証明するために、複数の文書にまたがって押される印鑑のことをいいます。

契約当事者が2名の場合には、契約書は通常は2通作成して、当事者が1通ずつ所持します。そのため、その2つの契約書にまたがるように、当事者双方の印鑑を押します。

6.印紙を貼る

契約書は、契約内容によっては印紙税法所定の課税文書となります。課税文書を作成した場合には印紙税を納付する必要があるため、収入印紙を購入して対象となる契約書に貼り付けることで印紙税を納付しましょう。

収入印紙を貼る場所は、契約書の1ページ目の余白の部分です。

電子契約を使用する際の書き方

電子契約は

  • 紙ではなく電子データで保管する
  • 電子署名を行う
  • 印鑑が不要
といった紙の契約書とは違う部分があります。よって、電子契約で使用する契約書を作成する際は、紙の契約書で書かれるような、各1通づつ保存する、署名・捺印といった条項を除き、電子署名に関する条項や、電子ファイルとしての保存方法についての条項を盛り込むことになります。

【契約書の種類別】契約内容の必要な条文リスト

「業務委託契約書」といった契約書の種類別に、契約内容に含めるべき条文をご紹介しています。契約書ごとに必要な条文は異なるため、こちらをご活用ください。

1.業務委託契約書の契約内容に必要な条文

  1. 委託業務の内容
  2. 委託期間
  3. 報酬額と支払い時期・支払方法
  4. 業務担当者
  5. 再委託
  6. 権利の帰属
  7. 秘密保持
  8. 報告義務
  9. 禁止事項
  10. 損害賠償
  11. 解約(契約解除)

業務委託契約書の契約内容には上記の11の条項を設けましょう。詳細は以下の記事で解説しています。

【弁護士監修】業務委託契約とは?契約書の作成方法と注意点、必要な11の条項を丁寧に解説

【まとめ】契約書作成のタスク一覧

最後に、実際に契約書を作るときにチェックすべき項目をまとめたリストをご用意しております。実際に契約書を作成する際はぜひこちらをご活用ください。
また、契約書の種類別に、作成すべき項目や注意すべき点を解説した雛形付きのコンテンツもご用意しておりますので合わせてご活用ください。

1.契約に関する基礎知識

  • 契約書には法律で決まった形式はないが、文体や内容には暗黙のルールがある
  • 雛形は弁護士が作成・監修したものなら使っても良いが、内容は必要に応じて書き換える必要がある
  • リーガルチェック(専門家のチェック)はなるべく受けたほうが良い
  • 電子契約にも法的効力がある

2.契約書に含める基本項目

  1. タイトル(表題)
  2. 前文
  3. 契約条項(メイン)
  4. 契約期間
  5. 損害賠償
  6. 契約譲渡の禁止
  7. 秘密保持
  8. 契約解除事由(契約解除の条件)
  9. 管轄合意(どこの裁判所を使うか)
  10. 完全合意
  11. 準拠法
  12. 分離可能性(特定の条項が無効になっても他は有効)
  13. 通知条項(相手に一報入れるルール)
  14. 後文
  15. 日付欄
  16. 署名・押印欄

3.契約書の形式を整える

  • 製本
  • 契印
  • 署名
  • 押印
  • 割印
  • 印紙の貼り付け

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